コラム
三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!
連載3「住宅事情」
こんにちは、三遊亭ぽん太です。
連載も三回目となりました。
今回もお客様からよく聞かれる疑問をテーマに書いてみたいと思います。
『師匠の家に住み込みなんですか?』
これは本当によく聞かれます。
徒弟制度ってそういうイメージなんだなーと再確認させられます。
正直私も入門前はちょっとそう思ってました。
落語界全体で見て住み込み(我々の世界では内弟子と言います)は、1割にも満たないはずです。
私も通い弟子でした。
一応、急に師匠に呼ばれてもお宅まで最速30分で行ける所に今も住んでおります。
また弟弟子で師匠のお宅近くで物件を探したものの相場が高く、ようやく見つけた風呂なしおんぼろアパートが近くの駐車場より安かったという人もいます。
昔はお弟子さんを住まわせる師匠も多かったようですが(有名なところでは五代目柳家小さん師匠、三代目桂三木助師匠など)、やはり現代の東京の住宅事情もありますのでそんなことが出来るような邸宅に住む師匠というのも少ないです。
珍しいパターンとしては、ある師匠にお弟子さんが入った際、大変かわいがって内弟子にしたもののその方のいびきがひどく眠れないため通いにさせたというのもあります(笑)
一緒に住むというのもお互いにとってなかなか難しいものがあるようです。
ただ内弟子は大成しにくいというジンクスもありまして。
というのも師匠と四六時中一緒にいますと緊張しますし気が抜けません。
自由な時間を持てたとしても反動でついつい遊んでしまい、本業の落語の稽古をしなくなってしまうため、と言われております。
忙しい前座修行中だからこそネタ数を増やしておくと寄席や師匠方の独演会などに呼んでもらった際、融通もききますし常連のお客さんなどにも「頑張ってるな」と覚えてもらえたりもします。
その代わり内弟子は師匠と常に過ごすことで濃密な時間を味わえますし、ふとした時に話す芸談やハチャメチャなエピソードなど後々の財産になることは間違いないので内弟子生活というものに憧れはあります。
まぁ正直あまりやりたくはないのですが(笑)
また私の師匠の師匠である笑点の司会でもお馴染みでした五代目円楽師匠のお宅は最寄り駅から歩いて20分程離れた所にあり、弟子の不満をなんとなく察した円楽師匠が「落語はだいたい15分くらいだから20分歩くのは噺の稽古にちょうどいいんだ。そのために住んでるんだ」という苦しい言い訳をしたそうです。
かくいう私も駅から徒歩22分の所に住んでおり、そのおかげか今では120席以上のネタを覚えました。
決して住んでる理由は、都内で風呂トイレありなのに家賃が4.5万円という安さだからではないです。
すべては芸のため。
と自分に言い聞かせておりますが、いつかは駅近で防音完備のオシャレなデザイナーズマンションに引っ越してみたいです。
コンクリ打ちよりまず真打ち目指せと怒られそうですけども。
では今月はこのへんで!
お知らせ
三遊亭ぽん太の月例落語会
ぽん太ラボ
11月27日(土)、12月25日(土)、2月23日(水・祝)
開演14時
会場・亀戸梅屋敷
料金・予約1500円、U25割1000円、ぽん太初めて割500円
お問い合わせ・pontathe2nd@gmail.com
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- 三遊亭ぽん太
- 落語家
- 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて180席以上ある
- ぽん太さんのHP
https://pontathe2nd.amebaownd.com/
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