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三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!

三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!

2024年06月27日

第34回「江戸の空気」

梅雨が行方不明のようですね。
暑いの苦手なのでなんとか連れ戻したいです。
特にボウズ頭にとって直射日光は死活問題なので東京オリンピックのかぶる傘をフリマサイトで購入するかいまさら検討してます。

さて、前回記事を丸々使って宣伝しました木母寺での落語会ですが、有難いことに満員御礼となりました。
予約不要にしたので当日までどうなるか不安だったのですが、20席もあれば充分だろうと思って設置した座席は増席に次ぐ増席!
また大変に陽気なお客様で最初から最後までずっとお笑い頂きとても楽しく高座を務めることが出来ました。
お陰様で第二回の開催も9月2日に決定しました。
心から感謝申し上げます。

落語は、言葉と少ない小道具(扇子と手ぬぐい)でお客様に想像してもらう芸能です。
江戸の文化や行事、無くなってしまった道具など実際に見たり触れるだけでも結構差が出るものです。
去年末くらいからは着物で生活してます。
あ、ただ雨天中止です。
なにせ足袋に雪駄だと雨の時はグチュグチュになって憂鬱になりますので。
そこらへんはゆるくやってます。

最近これはよかったなぁと思ったのは、名古屋の熱田神宮近くの宿場跡に行ったこと。
落語にはよく東海道の旅の噺が出てきます。
現在の東海道は地続きですが、江戸時代は名古屋から三重の桑名までが船移動になります。
いわゆる七里の渡しです。
私も高校生までは名古屋市民でしたが、実家のあるエリアからも通ってた高校からも遠かったためそれまで一度も訪れたことがなく、先日実家に帰った際にせっかくなので行ってみました。
今は埋め立てが進み海の場所が変わっているのですが、跡地は堀川という川なので遺構も少し残り観光用に整備されボートが係留されていました。
古い建物も残っており、宿場だった名残で昔は宿屋だったお宅もあったりなんかして、かすかにですが江戸の空気を感じました。

なにせ東海道一番の宿屋の数だったそうですからその賑わいは大変だったことでしょう。
これは想像ですが、人がたくさんいてさらに目の前が海ですから、なんとなくですが他の宿場よりもちょっと開放的な雰囲気があったんじゃないでしょうか。
商人たちもちょっとパリピ気味というか(笑)
実際はどうかわかりませんけどね。
ただいいんです、自分の中で噺の中の登場人物が少し人間らしくなったというか、私なりのリアリティーを獲得できたので。

私も二ツ目期間が折り返しとなり真打まであと数年となりました。
新作落語を作る才能も天才的な語り口もあるわけではないので、こういう地道な作業の一個一個が三遊亭ぽん太という落語家のオリジナリティーを作っていくんじゃないかと思います。
ですから、もし私が町中で東京オリンピックのかぶる傘を頭に装着していても決して笑わないで下さい。
「落語を極めるため、江戸時代の人に近づこうとしているんだな」と。
ま、せめて離れてから笑って下さい。
今年の夏も暑そうですから、皆様もご無理なさらず!

お知らせ

三遊亭ぽん太の月例落語会

ぽん太ラボvol.47 演目:お化け長屋、他
日時:7月20日(土)14時開演(13時半開場)
会場:池之端しのぶ亭
料金:予約1500円、U29割1000円、ぽん太初めて割500円
予約・問合せ:pontathe2nd@gmail.com

木母寺三遊塚落語会

日時:9月2日(月)14時開演(13時半開場)
会場:木母寺本堂(東武スカイツリーライン鐘ヶ淵駅徒歩7分)
出演:三遊亭圓橘、楽生、ぽん太、萬丸
料金:1500円(ご予約不要)

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三遊亭ぽん太
  • 三遊亭ぽん太
  • 落語家
  • 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて180席以上ある
  • ぽん太さんのHP
    https://pontathe2nd.amebaownd.com/
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