遺産の中には不動産が含まれる場合が多いですね。現金や預金だけなら相続分で割り、これを分けることで争いも生じない場合が多いです。不動産が含まれるとその価格が高額であったり、遺産は自宅の不動産しかなく、多くの相続人がいるといったような場合、これを分割することは大変難しく争いが生じます。

不動産が含まれる遺産分割の中で不動産の評価をいくらにするかがいつも争いになります。現金で分けて欲しい相続人は、不動産の評価を高く評価し、不動産の取得を希望する相続人は評価を低くしたいと考えるのは人情の常でありましょう。

裁判所ではこのような評価について争いがあるときは、裁判所が選任した鑑定人に評価をさせて、その評価を基準に判断をしています。この評価は時価に相当する評価が示されます。

この鑑定料も対象不動産によっては数十万円から数百万円という費用がかかります。そこで遺産分割における評価について遺言書で分割方法を定めるに際して、その評価方法を明記しておくのも評価に関する争いを減らすためにも必要でしょう。

評価は、死亡時又は分割時における日の属する１月１日付の固定資産評価基準によるとか、路線価（相続税申告の際の評価）による等を定めることになるでしょう。