コラム
2021年12月14日
「紅葉のように燃えて散る」~本紙読者投稿より
「裏を見せ表を見せて散るもみじ」
これは良寛様の辞世の句である。私も89歳になり、人生の秋を迎えたようだが、過ぎ去った日々は長いようで短く、いつの間にこんな年になったのだろうかと思う。
さんざん人生の「裏表」を見てきて、また、私自身も「裏表」を見せて生きてきた。これからはせいぜい人の「表」を見習い、私自身も「表」を見せて暮らしたい。そして無情の風に誘われて、逝く前に晩秋を彩るあの紅葉のように燃えて散れたら良いなと思う。
50年一緒に暮らしてきた主人は、もう20年も前にあの世へ旅立っていった。幸い5人の子供が皆夫婦仲良く、孫も12人。初孫の結婚式には主人も出られたことだけは幸せだったと思う。私はもう10人の孫の結婚式に出て、主人には申し訳ないのですが、有り難いことだと思います。曾孫も14人になり、主人も天国で見守ってくれていると思う。
私は7歳で両親と別れ、祖父母に育てられて、朝5時から夜は12時まで、貧乏と子育てに追われながら無我夢中で働いた日々を送りました。
そのような生活から解放され、今では大勢の子供夫婦、孫夫婦、そして可愛い曾孫たちに囲まれ、大事にされている今の私の暮らしは勿体ないばかりで、毎日感謝をしています。今夜も主人の事を思い出し、懐かしく、胸に込み上げて来る思いです。
(広島県 Y・M)
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