コラム
2021年08月18日
「『水兵の母』手紙に秘められた母の思い」~本紙読者投稿より
忠君愛国の教育を受けた大正生まれの人ならば、心に残る教科書。「水兵の母」は、次のような書き出しだった。
「聞けばそなたは豊島沖の海戦にも出ず、また八月十日の威海衛攻撃とやらにも格別の働きなかりしこと、母はいかにも残念に思い候」
日清戦争の頃、水兵に届いた母からの手紙だ。立派なお母さんだなと子供心にも限りない感動を覚え、その全文は私の頭の中にたたき込まれた。この年になっても忘れることなく暗唱できる。
「母も人間なれば吾が子憎しとはつゆ思い申さず、いかばかりかの思いにてこの手紙をしたためたかよくよくお察し下さいれたく候」
教科書は教えた。戦場に華と散れよと。若者を中国大陸へ、空へ、そして太平洋へと駆り立てたのだ。(静岡県 S・M)
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