コラム
2020年10月13日
「恩送り」~本紙読者投稿より
若い頃、自転車より便利な原付バイクが流行り出しました。ペダルをこがなくても、より速く、どんな山道でも楽に走れるので、これに切り替えようと試験を受けてみました。学科試験だけでしたのでなんとか合格できました。
さて、免許証を受け取らなければバイクに乗ることはできません。最寄りの駅までバスで行きました。駅から免許証を受け取る試験場までは相当の距離なため、タクシーで行くしかないと思い、乗り場を探していたら、二人の若者が近寄ってきて「相乗りさせてください」と言ってきました。快諾して一緒に試験場に着きました。
タクシーを降りるとき、二人は割り勘にしてくださいとしきりに言いましたが、私は「あなた方はまだ親の脛をかじっているのでしょう。ここは私が払うから、別の人の親切にしてあげてね」と言いました。
自分が誰かから受けた恩をその相手に直接返すのではなく、別の人の親切にしてほしいと言って別れました。
50年も前の話ですから、あの二人の若者も今では家庭を持ち、孫を相手にする立派なおじいちゃんになっているのではないかと勝手に想像して、ひとりニンマリ致しております。(茨城県 M・C)
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