コラム
2022年08月16日
「終戦記念日に思う」~本紙読者投稿より
8月15日は終戦記念日。毎年、戦争による全国戦没者を追悼し、平和を祈る日である。
平和な生活と経済成長に伴い、戦中戦後の悲惨な生活は忘れ去られようとしている。戦後生まれが人口の80パーセントになり、今の若い人達からは「いつまでも8月15日でもあるまい」という声すら耳にするようになった。
大東亜戦争の後半は、戦地よりも本土の方が連日連夜の空襲、爆撃が激しくなり、最後は広島、長崎への原爆投下となった。非武装、無防備の銃後の方々が悲惨な目に遭ったこと、核の恐ろしさ、戦争の残酷さを忘れてはならない。
戦争体験者として残念なことがある。英霊が鎮座する靖国神社の問題である。天皇陛下万歳と叫んで戦死された方々が合祀されているのに、総理も閣僚も参拝しない。誠に残念なことである。
私は8年間、中国大陸の戦線に従軍し、5年間は部隊本部で功績恩償業務を担当した。戦死、病死された将兵の功績を上申するのだが、誤字脱字の無い様に慎重を期し、心血を注いで調製したのが「死没者功績列次名簿」である。戸籍謄本、戦時名簿、功績名簿の氏名が合致するか、よく点検、確認して提出したものである。
戦争体験が風化して、誤った認識で戦争が美化される事は危険である。戦争の悲惨さを後世に伝えるのは戦争体験者の使命であり、戦没者の英霊を慰める唯一の手段であると思う。
(香川県 K・Y)
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