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コラム

2022年07月11日

「決死の特攻訓練の思い出」~本紙読者投稿より

私は特操一期生を志願し、仙台飛行校に入学。仙台、松島など東北地方を飛行した。

私が転属した二〇八戦隊は南海作戦で機を失い、米軍のレイテ上陸後に制空権をとられた。我が戦隊は夜間、月明かりを頼りにレイテへ人間特攻を強行した。この10日間あまりの、必至の訓練は忘れることができない。

高砂特攻隊員は必殺の精神で飛んで行き、誰一人帰ってはこなかった。
「もう二度と戦争してくれるな」
と、必至で叫び続けていることだろう。今、生き残った我々も、そう叫び続けなければなりません。

ちょうどその頃、連日米軍の猛攻にあい、戦況は日々悪化し、命がけでその場を去り、時期作戦のために転進した北朝鮮で終戦となり、ソ連へ抑留、二冬を越して、そこでも多くの死者が出た。その後帰国できたが、二度とない体験であった。

戦後は40年間小学校の教育現場を勤め、退職した。その年の春、広谷東観音山の開山があり、全国戦没戦災者供養塔が建立された。私は進んで協賛し、亡くなった多くの戦友を祀った。
この塔の供養、法会をすることが、私にできるせめてもの戦友への供養であると思っている。

今私が静かに当時の特攻訓練を思い出すとき、生きていることが不思議でならない。生きられることに感謝の日々です。
(広島県 T・S)

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