趣味
2022年06月02日
「歳月に消されゆきたる思い出をふとも顕たする遠き潮騒」2022年6月入選作品|老友歌壇
老友新聞2022年6月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
歳月に消されゆきたる思い出をふとも顕(た)たする遠き潮騒
松尾 勝造
街に流れる音楽に、その曲が流行っていた頃の思い出が蘇る事があります。潮騒を遠く聞いた時、忘れかけていた思い出がふっと蘇った。「潮騒」が美しいイメージを喚起させます。
二 席
アスファルトの小さき窪みのたまり水ひとつひとつに春の空あり
荻野 徳俊
雨が上がったあとの発見。雨が溜まった小さな窪みひとつひとつに空が映っているとした、明るい春の気分が共感を呼ぶ一首です。
三 席
庭の苔ルーペで覗く深緑 大樹の森が飛び込んできた
岸 慶子
なんといっても「大樹の森が飛びこんできた」が秀逸です。この表現に驚きと嬉しさが溢れています。
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