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2022年02月02日
喜寿を迎えた小椋佳さんのファイナルツアーがスタート。『こなから』という言葉に込められた思い
シンガー・ソングライターの小椋佳さんが喜寿・77歳を迎え、ファイナル・コンサート・ツアー「余生、もういいかい」をスタートさせた。
銀行員と音楽家の二つの道を歩みながら〈シクラメンのかほり〉〈俺たちの旅〉〈愛燦々〉など数々の名曲を作詞・作曲。自身のほか約300人の歌手が歌ってきた。
古希を迎えた2014年、死後、家族に迷惑をかけまいと「生前葬」と題したコンサートを開き、以降は「余生」と称して活動を続けてきたという。
そして喜寿を迎えたいま、
「声も衰え、昔は2、3時間あれば1曲書けたが、ここ数年は1週間かかります。もう体もボロボロ」
と歌手活動に終止符を打つ決断をした。
小椋さんが大切にしてきた言葉の一つに『こなから』がある。「二合半」あるいは「小半」と書き、その意味は、半分の半分で四分の一。つまり1升の半分をさらに半分にした二合五勺の量であり、ほろ酔いの上機嫌を「小半(こなから)機嫌」ともいうそうだ。
小椋さんは「小半」についてこう言う。
「どんな欲も、四分の一ぐらい。ほどほどに満たす暮らしが賢明な生き方ではないでしょうか。年をとればとるほど欲が膨らむ人がいます。でも、そこをちょっと抑えて、小半(こなから)で。生存欲求も金欲も、膨らめば膨らむほど幸せから離れていくように思います」(双葉社刊「もういいかい まあだだよ」)
小椋さんならずとも、「こなから」を日々戒めの言葉として、余生を送りたいものだ。
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