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コラム

2022年01月06日

第48回 白河小峰城~くるりとまわる石垣の城~

所在地=福島県白河市郭内 城山公園
種 類=平山城
別 名=小峰城

お城巡りに相応しい季節になりました。青く高い空にそびえる天守や石垣を見ると時代を越えたエネルギーと元気をもらえます。

私の城の楽しみは石垣にあり! 時を経て、なおも在り続けるその存在は感動にあたいします。
日本の石垣歴史は飛鳥時代末期に遡り、百済の先端技術を導入し北九州から瀬戸内にかけて築かれ、山城に多く見られる石材を垂直に積み上げたもので近世の城郭石垣とは異なります。近世城郭石垣へと繋がるのは技術が発達した室町時代後期です。

石の芸術ともいわれる石垣ですが、くるりと半円を描くように積まれた同心半円型落積という、可愛い形の石垣があるのは福島県の白河小峰城です。
まるでアート作品のような石垣で、清水門の先にある本丸の南側にあり、見落としがちですがここは必見です。


この石垣は1982年~1983年の崩落後に積み直されたもので創建時とは違いますが、くるりとした様子は芸術品です。
石垣の積み方は時代によっても異なりますが、このくるり石垣は江戸城と姫路城にも存在しています。でも、目を凝らして探せばまだまだ別の城にもあるような気がします。

白河小峰城は、奥羽の出入り口にあたるので、本多氏、阿部氏などの譜代大名、寛政の改革を行った松平定信などが城主を務めており、会津若松城、盛岡城と並ぶ東北には珍しい総石垣の城で東北三名城といわれています。
天守は存在せず、三重櫓を天守の代用としていましたが、幕末の戊辰戦争の白河口の戦いで焼失してしまいました。復元されたのは平成3年のこと。この時、激戦地であった松並稲荷山の杉を復元に使用したため、当時の鉄砲の鉛玉や弾傷が生々しく柱や床板に残されています。

遺構が少ない城ですが、蛇道堀と呼ばれる大きな堀越しから見える二段の石垣は当時をしのばせ、本丸と腰曲輪の石垣も残っています。
白河小峰城は、東日本大震災で大きな被害を受けましたが、今は見事に復興しています。新型コロナウィルスの影響で三重櫓は一階だけの見学かもしれませんが、感染対策をしっかりと。行ってみっぺ! 白河!

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