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コラム

2021年10月29日

「山歩きでの素晴らしい出会い」~本紙読者投稿より

日頃、健脚を自負していた私ですが、83歳となり、年々足の衰えが増すのを感じるのは、残念ですが致し方ないこと。好きな山歩きも、無理のない里山歩きへと変わりましたが、自然や風景を楽しむ歩きは続けております。

そこで、歩ける今のうちにと、今まではいつでも登れるからと思って行かなかった山に行くことにしました。その山は、通勤の行き帰りに見えた200メートルにも満たない低山です。空襲する米軍機がこの山をかすめるようにして飛んできた、嫌な思い出もある山です。

北鎌倉駅で下車、駅側の北条氏ゆかりの円覚寺、紫陽花で有名な名月院を拝観した後、目的の山へと向かいました。

一応、ハイキングコースなのでと、安易に下調べもせずに来たのが間違いでした。登り口が判らず、行き過ぎたかなと思っていたときに、私より少し年下くらいの方が自転車に乗って、こちらに向かってきました。声を掛けてお尋ねしたところ、やはり通り過ぎていたとのことで、丁寧に登り口までの道を説明してくれました。そして、お気をつけてと言葉を残し、坂を下っていきました。

私も、来た道を引き返し、歩いていくと、なんと、先ほどの方が道端に止まっているではありませんか。
「判りにくいので、登り口まで案内しましょう」
との言葉、私は有り難くお受けすることにしました。

そのおかげで、無事に山頂到着。雪を頂いた、清らかな富士山の姿を目に、自転車のお方の親切を胸に納め、清々しい思い出の一日を過ごすことが出来ました。
(神奈川県 M・K)

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