コラム
玉木正之のスポーツ博覧会
2021年09月14日
女子高校野球の甲子園開催は日本スポーツ界の男女平等推進に!
今年の夏の高校野球大会は史上初めて女子高校野球の決勝戦も男子と同じ甲子園球場で開催された。結果は神戸弘陵高校が4-0で高知中央高校を破り、「女子の初代甲子園王者」となったが、この結果を「日本のスポーツ界の女性差別解消への第一歩」と喜んで良いものか……微妙なところと言うほかない。
オリンピックがあらゆるスポーツ競技の男女平等を推進しているように、スポーツでの男女差別は許されない。が、日本の高校野球は、日本高等学校野球連盟(高野連)が男子で、女子は全国女子硬式野球連盟と別組織になっている。
女子野球の日本代表チームは6大会連続世界一に輝くほどの強豪だが、その組織も男子とは別。だからオリンピックでも、男子は野球で女子はソフトボールという変則なカタチで正式競技に採用されることを目指した。
すべては競技人口の少ないことが原因と言え、女子野球部の存在する高校も全国で40校余りしかない。が、競技人口が少ないから別組織でいいというのは理由にならない。
サッカー協会や陸上競技連盟や体操協会で男女が別組織ということなどありえないのと同様、野球も男女同一組織にして、男子も女子も協力して競技人口の増加に努力しなければならないはずだ。
ところが日本のスポーツ界は甲子園大会だけでなく、箱根駅伝のように男子だけが脚光を浴びるスポーツ大会が少なくない。柔道日本選手権も、日本武道館で行うのは男子だけ。女子は別の体育館で開催。
こんな「女性差別」を新聞社が主催や後援しているのだから、五輪の組織委初代会長や名古屋市長やプロ野球解説者の重鎮が、平気で女性蔑視の言動を繰り返したのか?メディアは猛省して「スポーツの男女平等」と組むべきだ。
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