趣味
2021年08月02日
「高らかに「都をどりはヨーイヤサ」舞台一面海原となる」2021年8月入選作品|老友歌壇
老友新聞2021年8月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
高らかに「都をどりはヨーイヤサ」舞台一面海原となる
岸 慶子
毎年四月に、京都祇園甲部歌舞練場で開催される都をどり。「ヨーイヤサ」の華やかな声で始まります。海原を思わせる背景だったのか、あるいは、観た瞬間海原を思ったのか、「舞台一面海原となる」が秀逸です。
二 席
ようようと詠いし短歌褪せてゆくわたしのうたにも鮮度あるらし
山岸 とし子
ようやくできた短歌。その時は満足していても、何日か経つと創った時の気持ちが微妙に変化している事に気づきます。共感する人が多いのではないでしょうか。
三 席
大波が動くごとくに振り上げて鉄棒する子夕陽を蹴って
荻野 徳俊
「夕陽を蹴って」に感動の核があります。美しく浮かぶ情景と共に、読者を遠い子供時代へ連れていってくれるようです。
佳作秀歌
赤胴の海女ら岩頭に立ちて列車に手を振る白き歯を見せ
王田 佗介
日焼けしているから海女達の歯は殊更白くみえるのでしょうね。昭和の日本映画のワンシーンのようです。
たまきわる命守れるワクチンの一回目受く有りがたき日なり
櫓木 香代子
「たまきわる」は「命・世・うつつ」等にかかる枕詞。上手に枕詞を取り入れて、ワクチン接種という最新の内容を詠みました。
手入れする人も無いのに庭先のそれでも咲くや紫陽花の花
鈴木 とく
手入れする人のない庭にも、季節を忘れずちゃんと咲く紫陽花。花を愛しむ作者の気持ちが伝わります。
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