コラム
かがやく人
「日常生活すら変わってしまった今、健康でいることが何より重要です」女優・松原智恵子さんに聞く「私の健康法」
―今回は「日活三人娘」と呼ばれ日活黄金期を代表する女優の1人、松原智恵子さんにご登場いただきました。女優生活60周年を迎えられ、多くの映画、テレビドラマにてヒロイン役を名演し、ソチ国際映画祭では主演女優賞も受賞された松原さんに、日活時代や新婚旅行での思い出話、そしてコロナ禍の今とくに気を付けていることについてお話を伺いました。
船旅を計画してたのに…
コロナで悔しい思いを!
新型コロナウイルスの影響で、仕事や日常生活までもすっかり変わってしまいましたね。いつも必ずマスクをしなければならないなんて、今までなかったことですよね。写真を撮る瞬間以外は、取材の時でもマスクをつけたりして。早く予防接種を受けて、元通りの生活になってほしいと思います。
私は旅行が好きなので、本当は昨年の2月頃に海外旅行の計画をしていたんです。それも、今まで経験のないクルーズ船で。3か月くらいお休みをとりたいなと希望をしていたのですが、そんなに長いお休みは無理そうで、せめて1か月くらいなら……とか、そういう話をしていたんです。でも予約がいっぱいで取れなくて。クルーズ旅行って人気なんですね。しかも横浜から出発のあのダイヤモンドプリンセス号だったんです。そんな中コロナ禍が始まってしまい…旅行どころではなくなってしまいました。
新婚旅行は北アフリカへ
サハラ砂漠で思わぬ体験
日活時代にはハワイとか、映画祭などの仕事で韓国や東南アジア辺りへ行くことはありましたが、新婚旅行は思い切って100日間、北アフリカへ行ったんです。モロッコからアルジェリア、チュニジアなどへ渡る計画です。最初はイギリスに行って、そこで主人の友人も合流してから、ベルギーのアントワープの港で車を2台受け取って、ヨーロッパを車でまわってスペインのジブラルタル海峡からモロッコへ渡りました。そこからサハラ砂漠へ入り国境を越えてアルジェに行きました。いざ雨が降ると普通の道が川になってしまうんです。スケジュールとして、今日はここまで進もうという計画があるので、思い切って大きな水たまりにバーッ!と突っ込んだら、深いんですよ、道のはずなのに。おかしいからバックして、もとの町に戻りました。翌日、同じ場所を見に行ったら、そこはものすごく大きな川に!行かなくてよかったです。
それから女性ですからお手洗いが一番困りました。ポッコリと山になっているところを見つけると、「ちょっと止まって!」と言って行くんですけど、その時は全然気にしなかったですが…今思うとサソリがいるかもしれないですよね。何事もなく良かったですが、あとあとなんて怖い事してたんだろうって(笑い)。
撮影・撮影の忙しい毎日
支えてくれた皆様に感謝
女優生活60周年を迎え、日活の専属だったころから振り返ってみると、本当にたくさんの作品に出させていただきました。日活は入った当初から私を育てようとしてくれていましたので、本当に嬉しかったです。高校にも通っていましたので、助監督さんに数学を教えてもらったりもしていました。大学生役も多かったため、役を演じるうえで大学生活も経験しておいた方がいいと思ったので、高校を5年かかって卒業して大学を受験しました。おかげで大学生活も楽しみました。様々な方にお世話になり、支えてくださったことに感謝です。
次から次へと、いろいろな役を演じますので、撮影の合間に、ほかの役のセリフを覚えるなんてこともしていました。幸い私は、役を引きずらないタイプなんです。これまでと全然違う役を演じることになっても、急に切り替えられるんです。日活時代は本当に次から次へと役をこなしましたので、引きずるなんて余裕も無かったほどです。「ちーこ、次はこれだよ」と言われれば「はい」って、そのまま役に入れるんです。
当時は、ブロマイド用の写真は撮影の合間に休憩していると、写真撮影のカメラマンさんが突然現れて「松原さん、ちょっとここへ立ってください!」と言われて、写真を撮られて、それが知らない間にブロマイド写真として売られていました(笑い)。
健康こそが何より大切
コロナ終息後の旅行が夢
今の私の夢は、コロナ禍が早く終息して、前のような日常が戻ることです。そしたら旅行にも行きたいですし、何よりもお仕事を続けていきたいです。65、70周年を元気に迎えられたらそんな嬉しい事はないです。
そのためには体には気を付けて、健康でいることが何よりですよね。私は、睡眠時間を十分にとり、バランスの良い食生活を心がけています。以前犬を飼っていた時から散歩をするのは習慣になっているので、今でも毎日散歩をするようにしています。あとは年一回の人間ドックと、区から案内が来る検診も両方必ず受けています。私たちは体が資本ですから、健康でなければ仕事は続けられませんし、旅行だって行けません。美味しいものも、美味しく食べられなくなってしまいますからね。(談)
■松原 智恵子さん(まつばら ちえこ)
1945年1月6日生まれ。愛知県名古屋市出身。
高校時代に日活の「ミス16歳コンテスト」に入賞し、撮影所を見学したことがきっかけで日活に入社し役者デビュー、清純派スターとして絶大な人気を誇る。2016年に第1回ソチ国際映画祭で『ゆずの葉ゆれて』の演技が認められ主演女優賞を受賞。
代表作は映画『夕笛』『長いお別れ』、ドラマ『ある日わたしは』『龍馬伝』『大岡越前』など多数。
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