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2021年02月10日

「脱ぎてなほ私の分身皮手袋」2021年2月入選作品|老友俳壇

老友新聞2021年2月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

脱ぎてなほ私の分身皮手袋

田原 きよ子

この手袋は単に防寒の役目にとどまらず、わが手の代わりもしてくれるのです。そんな手袋を身の一部として愛おしむ気持が伝わります。

寒風やこれほどに空広かった

岡本 政子

雲も吹き飛ばすほどの風でしょう。雲のない真青な空、思いがけなく広々と見えた、その驚きが素直に表現されています。
原句の中七下五は「広き空だった」でしたが、感動のポイントは「広き」にありますからこれに焦点を置くように語順を入れ替えましょう。

妻入院見よう見まねで根深汁

鈴木 曻

夫婦二人の暮しで家事一切を担う妻が病に臥すと、その夫は大変です。食事の用意にも困惑します。この作者も同じ、どうにか葱を刻んで味噌汁ぐらいは作れたようですが、妻のいる暮しの有難さが身にしみたことでしょう。

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