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コラム

2021年01月27日

相続法改正のおさらい その1「自筆証書遺言」

問い

2018年7月に相続関係の法律が改正になったと聞きましたが、どのような点が変更になったのか、あらためて教えて下さい。

答え

答え

自筆証書遺言について、大きく変更になりました。従前は全部自筆(自分の手書)で作成する必要があったのですが、財産目録についてはパソコンで作成してもよいということになりました。

財産の種類や個数が多くなると遺言の対象である財産を記載するだけでも大変ですので、財産目録の作成を専門家である弁護士や税理士にお願いすることもあります。専門家によって作成された財産目録や、自分がパソコンで作成した目録を利用して、自筆証書遺言を作成することが出来ます。
これにより財産目録作成のわずらわしさから開放されます。訂正や誤字があってもパソコンで作成された財産目録は容易に訂正出来ます。従前は訂正箇所を特定して変更した旨を記載して、署名し訂正箇所に押印しなければならないことを考えると、大変助かります。
また、財産目録の作成を専門家に依頼したとしても、どのような遺言の内容になるか他人に知られることもなく、自筆証書遺言を作成することが出来ます。

財産目録の作成は、自筆によらなくて良いと言った場合でもルールはあります。
1.本文については全文につき従前どおり、自署押印が必要となります。
2.財産目録はその本文と一体として作成される必要がありますので、本文の遺言書と別々では有効な遺言書とはなりません。
3.目録は全部パソコンで作成しても、一部パソコンで作成し残りを自署してもかまいません。
4.パソコンで作成するなど遺言者の自署によらないで作成された財産目録には、各ページに署名押印しなければなりません。これは自筆で行う必要があります。財産目録が表・裏に印刷されていれば、その両面に署名押印が必要です。目録が数ページにわたる場合、その全部に署名押印が必要となります。
5.遺言書が複数枚になる場合、必ず必要というわけではありませんが、ページ毎に割印をされるとよいでしょう。

この制度は2019年1月13日から施行されました。今回の改正で自筆証書の遺言の保管も新たに設けられました。1人で生活をしているような場合、遺言書の保管が問題になることは前にもお話しましたが、これからは法務局において保管することも可能となりました(2020年7月10日から保管が可能)。この場合は家庭裁判所の検認の手続は必要ありません。

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