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2020年06月24日

6月は特選1作品と無審査が2作品。|皇寿書壇2020年6月入選作品

6月は特選1作品と無審査2作品が選ばれました(編集部)

特選

吉田 美枝子(紫芳)

読み=雨聲竹間に来る。
草書はその姿体に変化があり自由な表現と流動的な趣きを表すことが出来ますが、点画一つ一つを慎重に扱うことが大切で速度の遅速・緩急の変化・抑揚・強弱をつけて運筆しなければなりません。
この作「雨」字を少々大きく書きすぎたように思われますが、無理なく自然な筆致で筆脈・筆意をよく繋ぎ線条に冴えがあり、清雅な雰囲気に趣きがありますので特選とします。

無審査

塚田 濤石

「豊」字の終筆の横線が稍右肩上がりで字形が傾いた感がありますが、一画一画を確り運筆され、独特な筆調で構成された墨線は清勁です。
以前の作調から少し変化されたように思いますが、古意を含み氏独自の表現がされていて風趣豊かな作に魅力を感じます。

齋藤 北城

「千山…」と書して下さいました作は、「山」字の結体がいま一つ定まっていない事と、「鳥」字の終筆の処理が曖昧であったことが惜しまれます。ほか三文字は整斉にして清勁で、「千」字の終筆の破筆した線条は見事な筆捌きです。
もう一点の自運書はゆったりとした運筆で清雅に纏めて下さり、用具の選択がよろしく上質の手漉き半紙と運筆とが相まって筆が紙面を確実に捉え、形意良好に秀勁に仕上げています。
創作する場合、動機はさまざまで即興的にしても構想を練るもいずれにしても心の準備が必要です。また、用具によってその表現が変わりますので、どんな用具を使用するのかその効果を理解し表現することが大切です。皆々様どうぞ心掛けてみて下さい。

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