医療と健康
63歳の主人が疲れやすく喉が乾く
63歳の主人が疲れやすく喉が乾く
61歳の女性です。私の主人のことで、質問をさせてください。
主人は63歳で、私と2つしか違いませんが、最近、とても疲れやすく、喉がよく乾くというのです。
主人は以前より食欲旺盛で、肥満体型でした。夕食など、たっぷりと食べているのですが、その後、体がだるくなるようで、食べた後にすぐに寝てしまいます。また、最近では、いつもと同じ量を食べているのに、体重は減っているようでして、何かの病気ではないかと心配です。
夕食のはじめには、喉が渇くといって、ビールを2本くらいあっという間に飲んでしまいます。疲れやすいのはアルコールの取りすぎが原因なのでしょうか。
糖尿病の恐れ 早めに血液検査行なう
63歳のご主人が、最近疲れやすくて、喉も渇きやすいことを心配されてのご相談です。体型も太り気味とのことで、このようなケースの場合、糖尿病が心配されます。
糖尿病は、血糖値が高くなる病気ですが、あまり高くなりすぎると、ご主人のように喉が乾いたり、疲れやすくなったりという症状が現れることがあります。
また最近では、以前と同じように食事をしているのに、体重が落ちてきているとのことですが、これも糖尿病の病状が進んだ時に見られる症状です。尿から糖分としてエネルギーが排泄されてしまい、結果、体重が減ってくるということがあるのです。
喉が渇くといって、ビールを2本も飲んでしまうのは、余計に血糖を上げて悪化させてしまうため大変危険です。血糖が上がりすぎると、糖尿病性昏睡といって、意識を失ってしまうなど重篤な合併症もあり注意が必要です。
さらに、急な体重の減少に加えて突然血糖値が上昇したという場合には、膵臓がんの可能性もあるのでよく調べてください。
また、疲れやすいという症状の場合、肝臓や腎臓などさまざまな内臓の病気で起こることがあるので、早めに血液検査を行ない、糖尿病があるかどうか、そして他の内臓の病気を併発していないか、一緒に調べることが大切です。
糖尿病で、血糖値があまりにも高かった場合には、薬による治療が必要になります。まずは薬で血糖値を安定させそれとともに、やはり肥満の解消をすることです。適度な運動をし、食生活も見直して、摂取カロリーを抑えていってください。メタボリックシンドロームは、糖尿病だけでなく、血圧や高脂血症など、そういったことも心配になるので、全身のチェックも行なってください。
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- 髙谷 典秀 医師
- 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事
【専門分野】 循環器内科・予防医学
【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士
【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)
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