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一つでも当てはまったら医師と相談!「食べる力」6つのチェックポイント/介護NOW
加齢による衰えや病気の後遺症などで、自分の力で”食べる”ことが難しくなることがあります。私たちが生きていくために必要な「食べる力」を維持するには、どうしたらよいのでしょう? 再び口から食べるための治療に力を注ぐ、ふれあい歯科ごとう代表の五島朋幸先生にお話を伺いました。
食べる力は社会性をはぐくみます
食べる力が衰えると、水分や食べ物を胃へ送る機能が低下してむせたり食べ物が残ったりする「摂食嚥下障害」になります。
自力で食べられない場合は、胃や腸にカテーテルなどを通して直接栄養を補給する胃ろうや腸ろうなどの経管栄養、血管に直接栄養を送る静脈栄養といった方法で栄養を摂取します。
「食べられる幸せというのは単に”栄養を摂る”ということだけではありません。経管栄養でも栄養は摂れるので健康の維持はできますが、”今日は何を食べよう?”といった食べる楽しみが失われてしまいます。そして食べる力は社会性にもつながります。私が活動する東京・新宿エリアを調査したところ、最期まで自力で食べられる人のほとんどが、家の外でも食事をする人でした。外食を楽しみたいから外出する、外出するから体を動かす、外へ出るから人と関わる。食を中心とした社会性を形成することができるのです」(五島先生)
また、食べられなくなると周囲の人の健康を脅かすことも。
「食事ができない状態になると、そのご家族も気を使って食べられなくなるという状況が発生します。食べ物を見せることはもちろん、調理時の匂いも気にしてしまいます。ある女性は、ご主人が胃ろうのためキッチンに隠れてパンだけで食事を済ませていて、健康を害してしまいました」(五島先生)
嚥下障害のセルフチェックシートをご紹介しますので、当てはまるようなら専門医に相談しましょう。
1つでも当てはまったら嚥下障害かも!?
最近、以下のような変化を感じることはありませんか? 上手に食べられなくなると食事に時間がかかったり、食事の量が減ったりして心身の機能低下にもつながります。一つでも当てはまる場合は摂食嚥下障害を起こしている可能性がありますので医師に相談しましょう。
□食事中や食後にむせることがある。
□唾液が口の中にたまることがある。
□飲み込むのに苦労することがある。
□固いものが食べにくくなった。
□声が変わった(ガラガラ声やかすれ声)。
□最近、体重が減少した(この1カ月で5%以上、半年で10%以上)。
食べる力を維持するために、日ごろのケアを!
- 内環境を清潔に保つ(歯や舌のブラッシング、義歯のケアや調整など)。
- 左右の歯をバランスよく使う(左側だけ、右側だけなど極端に偏らないように)。
- よくかんで食べる。
- 時には誰かと一緒に食べる。
- 入れ歯はきちんと使う。
取材・文/中沢文子
<教えてくれた人>
五島朋幸(ごとう・ともゆき)先生
ふれあい歯科ごとう代表。日本歯科大学卒業。歯学博士。日本歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科臨床准教授、新宿食支援研究会代表。訪問歯科診療と摂食嚥下障害の治療に力を注いでいる。
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