コラム
第26回 城の基礎知識~「城」とは何か?
城巡りには良い季節になって来ました。やはり城には青空が似合うと思います。それに何よりも陽が長くなるのがありがたいことです。この連載もお陰様で25回を超えたので、いったい城とはなんなのか。今一度考えてみたいと思います。
城は日本を代表する歴史的建造物で、その多くが戦国時代から江戸時代に活躍した武将の力を偲ばせるものだと考えられます。
城の魅力は人それぞれだと思いますが、頑丈な石垣、天守閣の形、城郭の形状、櫓、門、堀など。また、天守閣からの眺め、築城した人物、城の歴史と考える方が多いのではないでしょうか。城の魅力はそれだけ多いということです。
私は城の本を読んだり、写真を見たりするだけで楽しい気持ちになります。数百年も前に城内を行き来する武士の姿や、姫君達の生活、城をめぐる戦、喜怒哀楽が詰まった様子を想像するだけでますます魅了されていきます。どんな藩主が治めていたのか、どんな天守閣があったのか、城下にはどんな人が暮らし、街が栄えていたのか思い描くと本当にわくわくした気分になります。
吉野ケ里遺跡も「城」
意外に思われる方も多いと思いますが、佐賀県の吉野ケ里遺跡は日本百名城に選ばれています。
堀と土塁によって国を守った弥生時代の立派な城です。
その後、朝鮮半島から朝鮮式山城の築城方法が伝わって戦いを意識した山城が造られ、南北朝時代になると丘城が現れます。そして戦国時代には防衛力に優れた平山城が多くなります。
「見せるための城」信長の安土城
戦いの城から見せるための城を築いたのは、天下統一目前の織田信長でした。五層七階の不等辺多角形の天守台の安土城です。天守には金箔を貼った金箔鯱瓦や金箔瓦などが使われ、まさに見せるための城だったのです。その思想は、羽柴秀吉や徳川家康に受け継がれていきます。
城には、その数以上にそこで生きた人々の人生があるといわれています。城主が代われば城の運命も変わる。そんなことにも思いを巡らせながら、この先の連載を進めていきたいと思っています。(老友新聞社)
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