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2018年04月11日

「家家の庭に葉ボタン植えてあり色とりどりの風が生まれる」2018年3月入選作品|老友歌壇

老友新聞2018年3月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)

一 席

家家の庭に葉ボタン植えてあり色とりどりの風が生まれる

勝亦 ふさ子

冬場でも花を欠かさない作者を始め、近隣の方達。そこに吹くのは「色とりどりの風」と捉えました。春も近いですね。

二 席

湯気の立つ焙煎珈琲を持ち帰りバスに乗り込む香りと共に

山岸 とし子

寒い日の一場面。情景がよく浮かびます。「香りと共に」が秀逸です。「焙煎珈琲」と具体的に表現したところもいいですね。

三 席

くず折るることもありしが仏心と夜叉の相形あわせ生き来ぬ

松尾 勝造

仏心と夜叉の心を併せ持って生きてきた。深い感慨をさらりと詠んで、多くの人達の共感を呼ぶ事でしょう。

佳作秀歌

里山の石段登ればひんやりと宮居の冷気に浄めらるるなり

宮本 ふみ子

お正月の参拝の折りの景でしょうか。冷たい空気に浄められますね。

注連縄の外れる頃に雪の降るスキーの好きな人達の雪

秋山 みさ子

「スキーの好きな人達の雪」がいいですね。但馬北部には沢山のゲレンデがありスキー客を待っています、と作者。

匂いたつ新藁で注連縄を綯(な)う老人会の人ら和みて

荻野 徳俊

若々しい匂いのする新藁で注連縄を綯いながら、お正月を楽しみに待つのでしょうね。

守られて健康なれば人のために役立つ事のありて嬉しき

藤本 洋子

人のために役立てる事ができるのも健康であればこそ。良い一年でありますように。

似顔絵がとびだしそうな曾孫の絵を額に収めてしみじみと見る

岡本 政子

「とびだしそうな」の表現が、曾孫さんの絵を生き生きと伝えています。

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