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コラム

2018年03月12日

「自筆証書遺言」の作成の仕方…トラブルを避けるためには内容をより具体的に

問い

自筆証書遺言を作成しようと思っているのですが、財産の表示はどのようにしたらよいのでしょうか。

答え

答え

「全部の財産をAに相続させる」という趣旨であれば、特に財産を特定する必要はありません。文字通り全ての財産ということになります。

これに対し、特定の財産を相続または遺贈させる場合は、他の財産と区別する程度に特定する必要があります。

不動産については権利証に記載されたように表示すれば問題ありません。「○○市○○町にある土地建物」と表示した場合、その場所に、他の土地建物がない場合は、これだけでも特定可能ですので、遺言としては有効となります。

しかしこの場合、権利証に記載されているような地番、家屋番号もありませんので、登記ができません。その場合は他の相続人を相手に登記の手続きを請求することになります。

 

預金についても「○○銀行○○支店の預金全て」と表示されれば、特定は可能ということになります。しかし、○○銀行××支店に複数の預金があって、その1つを相続させる場合は口座番号まで特定するとよいでしょう。例えば「○○銀行××支店 私名義の普通預金 口座番号△△△△△△」と表示すればよいでしょう。

金額は増減しますので、金額を入れる必要はありません。逆に金額を入れると、その特定の金額を相続させるという意味にも解釈されます。そのような場合であれば、口座残金が特定の金額に不足していれば、他の現金を相続させるのか、減少した金額を相続させるのかという問題になり、また口座が特定の金額以上であれば、その金額を除いた残は相続されないということか、増額した金額を相続させるかという問題になりますので、争いにもなりやすくなります。

 

折角作成するのであれば、できるだけ財産の内容を特定しておくことがよいでしょう。(老友新聞社)

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