趣味
2018年02月20日
「風にカラカラかすれた声で 枯葉の集まる場所がある」2018年1月入選作品|老友都々逸
老友新聞2018年1月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天の位
風にカラカラかすれた声で
枯葉の集まる場所がある
宮本 ふみ子
淋しさが集まって一層淋しくなる感覚。かつて陽光に照らされて働いた緑の葉も枝から離れて一塊(ひとかたま)り。立てる声さえも切ない響きです。
地の位
一つ殴った拳(こぶし)の中に
言えぬ言葉が篭めてある
大西 和子
親子、先輩後輩…色々な場面の鉄拳がありますが、殴る手の方が痛い場合が多いものですね。
人の位
つぼみのまんまで開(ひら)かず散った
恋の仇花里芋(いも)の花
勝亦 はる江
里芋を育てたことのない選者ですがエイヤ!で選びました。里芋にさえ可憐な時期があって、人に恋の花かと思わせるのですね。
十 客
空地は雑草伸び放題で
農家を継がない若い人
松島 のぶ
諦め感さえ漂いますね。
長寿百歳生きてた証(あかし)
銀盃拝受は夢のよう
横山 一雄
総理からの授与ですね。
ちょっと一言多すぎました
後(あと)で悔いてる日の長さ
飛田 芳野
郷土力士が土俵に立てば
血潮高鳴り息をのむ
三橋 ユキ
苦楽持ち寄り心も和む
ちゃんで呼び合うクラス会
向井 智恵子
散歩しようかジョギングするか
炬燵に入って出られない
山田 浩司
八十過ぎたらもう年いらぬ
一茶の気持ちがわかる春
王田 佗介
言葉少ない手紙だけれど
母の情けがしみる文字
惣野代 英子
顔の不出来は仕方がないが
せめて唄でも人並みに
黒木 弘
杖はいるけどお口は達者
おしゃべり楽しく大笑い
鈴村 三保子
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