趣味
2018年01月22日
「遥かな道のり我が人生に 信じる心と思いやり」2017年12月入選作品|老友都々逸
老友新聞2017年12月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天の位
遥かな道のり我が人生に
信じる心と思いやり
天野 よし江
自分が他人(ほと)を、他人(ひと)が自分を信じ思いやってこそ、長い人生を渡ることが出来ました。「遥かな」が生き抜いた人生の豊かさを感じさせます。
地の位
白い狐にまた騙されて
党を出てから迷い道
福田 浩明
政党が、まるで良くないことを企てる徒党のように見える作者には、白狐に騙されている様に感じるのでしょう。つらい政治不信ですね。
人の位
信州よいとこお蕎麦と鮎の
夕餉たのしい膳の上
三橋 ユキ
夏蕎麦と秋蕎麦がありますが、黙ってソバなら秋ですね。日常を素直に描写しました。
十 客
月にうかれて恋人さがし
ほろ酔いきげんの秋の虫
松本 タケ
イソップ物語の、せっせと働くアリより、こんなキリギリスで居たいな、と思う夜もありますよね。
鏡のぞけばイケメンひとり
白髪頭に白いヒゲ
山田 浩司
ご自分をイケメンとおっしゃる自負こそ生命力の源。下の句の諧謔(かいぎゃく)こそ人生の潤滑油となるユーモア。
一ひら三ひらと柿の葉落ちて
成っていた柿顔を出す
勝亦 はる江
歳はいらない此の儘いたい
恋の一つもしてみたい
黒木 弘
今日は楽しいいきいきサロン
映る鏡に紅をさす
高木 まつ
風がそおっと涙を拭(ぬぐ)い
負けた喧嘩の子の味方
大西 和子
今朝の急冷冬着はどこだ
しまい忘れて出る嚔(くしゃみ)
大石 志津江
何もいらない元気な顔が
母に嬉しい土産物
飛田 芳野
夜中に目覚めて眠れぬ夜は
遠い昔を巻き戻す
向井 智恵子
公孫樹(いちょう)並木の銀杏拾い
気にもならない手の臭い
宮本 ふみ子
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