ニュース
元気な高齢者を全国へ発信!「ツクバあさん47」(茨城県・つくば市)の活動
人は誰でも中年になると、寝たきりにならずに人生を終えたいと思うようになるものだ。そんな「ピンピンコロリ」を目指して、2016年6月に誕生したグループがある。つくば市を拠点に活動している『ツクバあさん47』だ。YOSAKOIソーランという踊りを通して、健康を維持。その姿を全国47都道府県に発信しようとしている。プロデューサー・守屋俊甫さんにツクバあさん47の活動趣旨や練習の取り組み方について聞いた。
「YOSAKOIソーラン」で健康に
地域社会への貢献も
『ツクバあさん47』設立の背景には、プロデューサーである守屋俊甫さんの経歴が関わっている。守屋さんは筑波大学在学中、「ユニバーサルソーラン」をコンセプトとしたチーム『筑波大学斬桐舞(キリキリマイ)』を立ち上げた。
「ユニバーサルと謳ったのは、年齢や置かれている状況などといった垣根を超えて楽しく活動していこうという想いからでした。お陰さまで斬桐舞は多くの注目を集め、フランスを始め海外からも招待されて、国内外で年間80回もの演舞を行ったりしました」
そのYOSAKOIソーランと高齢者の結びつきを、守屋さんはこう語る。
「つくば市の高齢化率は年々高まっています。そこで考えたのが、高齢者にYOSAKOIソーランに参加してもらい、楽しみながら元気に生活してもらおうということでした。高齢者が元気になることで地域に貢献もできますし、ひいては国の医療費も抑えられますからね」
筋力アップ、股関節柔軟に
そもそも守屋さんは、鍼灸、マッサージを行う治療院と、1対1でトレーニングを指導するジムを併設するStudioDStyleの代表トレーナーだ。そのためツクバあさん47の根本には「運動療法」の発想がある。
「私たちはYOSAKOIソーランの起源であるソーラン節をとても大切にしています。「南中ソーラン」という曲は腰を落として踊るので、特に下半身の筋力がアップし、股関節が柔軟になり、体幹も鍛えられるんです。股関節がやわらくなることで、膝や足首、腰への負担も軽減されるんですよ。ただ、私の指導では全員同じようにストレッチしたり、練習することはしません。それでは逆に体を傷めてしまうことがあるからです。参加者それぞれの健康状態、過去のケガの状況などを考慮し、一人ひとりに合わせた指導をしています」
と守屋さんは言う。
「膠原病が踊れる体に!」
「気持のイイ汗が最高!」
メンバー代表・佐藤恵美子さん(69歳)は、自らの経験をこう語る。
「私は『斬桐舞』の他に別の連(チーム)にも長く参加していました。ところが5年前に膠原病を患い、全く踊ることができなくなってしまったんです。そんなときに守屋さんの考えに賛同してこのチームに参加しました。そして1年前、5年ぶりに踊ることができたんです。ツクバあさん47は他の連とは違い、体の仕組みを説明しながら指導してくれます。祭りにも率先して出ようとするので、目標にもなっていますね」
また、初期からのメンバーで、ビジネスマナーの講師をしている渡辺満枝さん(66歳)は、
「運動不足解消と、ダイエットができたらと思って参加し始めました、踊ることも仲間と会うのも楽しいんです。それに、気づいたら仕事後の疲れを感じなくなっていたんですよ。月に1度講習で会う人たちには『痩せた?』と聞かれますしね。実際体重も4㎏落ちました」
と嬉しそうに語る。
先日まで最年長を誇っていた森俊枝さん(74歳)は、
「同年代の友人で老人性うつ病になった人が3人もいて、積極的に外に出ようと考えたんです。体を動かすことが好きで以前はエアロビクスをしていたのですが、今はソーラン節で気持ちのいい汗をかけています。脚に筋肉がついたのも実感しています。趣味の山歩きでは長時間歩いても辛くなくなりました。一人ひとりに適切な指導をしてくださるので心強いです」
と充実感を表す。
最後に守屋さんは、将来の夢をこう語った。
「ツクバあさん47の『47』は47都道府県の数です。ツクバあさん47を通して高齢者の元気な姿を全国に発信したい。今年から筑波大学大学院にてソーラン節を研究します。その研究成果を基に、将来は47都道府県にツクバあさん47の支部を作り、全国の高齢者が元気で過ごせるようになってもらいたいですね」
なお、ツクバあさん47の詳細に関しては以下URLを御覧ください。
この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。
- 今注目の記事!