趣味
2016年05月05日
2016年5月入選作品|皇寿書壇
特選
丸山 茂保
読み=春物已にして清美
自運書の行草作は柔軟な線条なのですが布置の安定を欠く。
しかしこの隷書作は全体の纏まりがよろしく、おおらかな筆調と素直さが量感豊かに春を感じさせ丁寧な運腕で一生懸命に学書されていることが伝わる作です。
隷書は点画の引き方が繁雑なので速く書く場合は不適当ですが造形的な趣をもっていて建築的な美しさを備え健康的で知的なひらめきがみえます。
見る書として効果をあげますので習得して下さい。
無審査
鈴木瑞峰
楷書作は浴衣姿のお写真からしてもご高齢を感じさせぬ力強い筆致・弾力のある送筆・整斉にして妙味ある作です。
行書作は緩急自在の用筆でこの闊達さは長い書暦によるものでしょう。
草書作は練度の高い線条で一貫した流れがあり秀逸です。
塚田涛石
楷書作は結構法が安定し筆圧充分に引き締まった線条は清勁です。
行書作はおおらかな呼吸と送筆で布置よく纏めてしっとりした風情を感じさせる作です。草書作は軽妙なる動きで気脈・筆脈を途切れることなく繋げ律動感ある書きぶりは見事です。
齋藤北城
楷書作は暢びやかな送筆で重厚な書きぶりなのですが「湯」字がほか四文字より大きく全体のバランスを悪くしております。ご留意下さい。
行書作は深く強靱な書線と潤渇の変化が含蓄ある作とさせています。
行書は芸術的表現にも実用的書写にも多く使用される書体です。創作する場合には、心の準備を大切にし書風(唐様・和様・個人別・時代別)を考えて用具を選択し筆ならば(柔毛・剛毛・長・短鋒)弾力ある線・ゆるやかな線などと予め設定し、紙ならば滲む度合いにより効果が違います。墨も(濃淡・墨量・濃度)を変えることにより表現が豊かになりますので皆様いろいろ試みお書きになって下さい。
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