趣味
2017年03月13日
2017年2月入選作品|老友都々逸
天の位
安いミカンは姿が悪い
ワシと同じだ買ってくる
山田 浩司
下の句の共感が上の句の当り前の感想に輝きを持たせ救っています。(そうだ、そうだ!)の後押しが自分の生き方を肯定して呉れていて嬉しいのです。
地の位
何がおわすか拝殿内の
奥をのぞくは子ども達
向井 智恵子
子ども時代の興味津々は時に大人から叱言を食らうものでした。そして徐々に世の中にも性にも目覚めて行くのでした。
人の位
相手思ってそれぞれ言葉
記す賀状のあたたか味
大石 志津江
相手方の旧年中の幸不幸などを考え新年に相応(ふさわ)しい言葉を考える。それが慮(おもんぱか)りの心なのでしょう。
十 客
御節料理の予約もいらぬで
母の自慢の二段重
石野 文子
年を取らずにこのまま居たい
恋の一つもしたい初春(はる)
飛田 芳野
言葉巧みに誘われながら
断り上手な年の功
高木 まつ
酒は呑めのめ呑まねば損よ
踊れチャンチキわしは下戸
岡本 政子
わが身なれども手足も腰も
痛みなだめてお付き合い
天野 よし江
あつい味噌汁嬉しい湯気は
母の手料理故郷(さと)帰り
惣野代 英子
何に手を出す訳でもないに
なぜか忙しい年の暮
岩崎 ますゑ
皇帝ダリヤが十本咲いて
蝶ちょ蜂虻のんびりと
櫓木 香代子
謹賀新年心をこめて
一気呵成に走る筆
王田 佗介
しゃんと手拍子木遣の音頭
意気な若衆のコップ酒
福田 浩明
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