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2016年12月27日

「人生100年時代」…待ったなしの長寿化の波に社会制度の改変迫られる

日本の100歳以上の高齢者数は6万5692人。46年連続の増加で、今年度中に100歳になる人も3万1747人おり、過去最多。いわば「100年ライフ」を過ごす時代がやってくる。それにともない社会・個人は大きな変革を迫られると問題提起した『ライフシフト 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)が注目を集めている。

日本の平均寿命は女性87.05年、男性80.79年で、女性は世界2位。同書では「2014年に生まれた子供の半数は109歳以上生きるだろう」と推測。

こうした長寿化の背景は何か? まず子供の死亡数が低下し平均寿命を押し上げた。次に医療技術が進歩し、とりわけ中高年の慢性疾患と癌の対策が進んだこと。さらに栄養状況の改善、予防接種など公衆衛生のイノベーション、健康志向などがあげられる。

人生100年時代は「衰えて生きる年数が長くなるのではなく、長く生きられる大半を健康に生きられる」と強調。〈教育>仕事>引退〉の人生3ステージは成り立たなくなる。寿命が延びると〈仕事〉のステージが長くなり、引退年齢は70~80歳になる。ほぼすべての職がロボットと人工頭脳によって代替・補完されるという。労働市場の変化はスキルの再習得を迫られる。

確かに長寿化は進むであろう。同時に社会保障・雇用・結婚・教育など社会制度の変革を迫られる。「長寿化の恩恵は高所得者ほど実践しやすく、貧富の格差は拡大する。よい人生を生きることは一握りの特権になりかねない」と課題を投げかけている。

新年、「バラ色の初夢」ではなさそうだ。(老友新聞社)

 

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