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認知症は予防できる!「コグニサイズ」で機能低下を抑制
昨年1月、厚生労働省は、認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるという推計値を発表した。様々な病気があるが、年齢を問わず認知症は最も避けたいと思う病気のひとつではないだろうか。厚生労働省が発表したこの推計値に不安を感じる人は少なくないだろう。しかし、日ごろの努力によって認知症は予防できることがわかっている。
認知症になりやすい人~体力衰え外出が減る
老年症候群の因子を排除
国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は、自治体等との連携を取りながら高齢者の心体の自立の促進を目指し、健康長寿社会の構築のために研究を続けている。その研究から生み出されたのが(TM)コグニサイズ。運動と認知トレーニングだ。MCI(*)の段階でコグニサイズを行うと、認知機能の低下を抑制するという。
*MCIとは…健常者と認知症の中間にあたる軽度認知障害のこと。この時点で治療や予防を開始することで、認知症への移行を大きく防ぐことになるという。
まず、コグニサイズを知る前に、認知症になりやすい人の特徴を知ろう。
認知症を予防するためには、年代に応じた危険因子を排除し、保護因子を促進する必要がある(グラフ①参照)。特に高齢期には、加齢と共に肉体的な機能が衰えることで外出する機会が減り、人との交流が減る人は少なくない。また、様々な環境変化で精神的な症状が出やすいともいえる。このような老年症候群等の因子を積極的に排除することが大切だ。
また、認知症を引き起こす原因として、日本ではアルツハイマー病の割合が最も多いことが知られている。このアルツハイマー病につながるのも身体的活動だ。
日常生活の中での活動と運動をバランスよく行い、身体活動量を増やしていこう。
認知症を予防するためには、各年代に応じた危険因子と保護因子を明らかとして、危険因子の排除と保護因子の促進をする必要があります。高齢期には、加齢にともなって生じるさまざまな症状(老年症候群)を排除することが重要であり、活動的なライフスタイルを身に付けることが必要となります。
コグニサイズとは?
頭を使いながら運動することで脳と体の機能を向上
さて、実際のコグニサイズとはどんなものだろう。コグニサイズという言葉はコグニション(cognition/認知)とエクササイズ(exercise/運動)を組み合わせた造語だ。コグニション(認知)課題とエクササイズ(運動)課題を同時に行うことで、脳と体の機能をより効果的に向上させることができるのだ。
たとえば『コグニステップ』(図参照)というものを簡単に紹介しよう。
ステップ1は立って数字を数え、「3」の倍数のときに手を叩く。ステップ2は立って、右足を右へ > 右足を戻す > 左足を左へ > 左足を戻す。これを繰り返す。ステップ3はステップ1、2を組み合わせたものになる。このとき脚の動きを大きくする。
このような頭を使いながらの運動に対して苦手意識のある方もいるだろう。しかし、簡単なものから順を追って進んでいけば楽しくできるはずだ。継続して続けることで、数日前にできなかったことが今日はできた、という経験を味わうこともできるだろう。ひとりでできるものもあれば、数人で一緒に楽しむことができるものもある。それは笑いの絶えない楽しい時間になるはずだ。
認知予防のためには運動内容、頻度、強度の設定が重要だという。強度に関しては安定時の心拍数を把握し、運動時の心拍数の目標を決めて行うとよい。
コグニサイズを行って認知症を回避し、老後のQOL(QualityOfLife/生活の質)を高めようではないか。
なお、コグニサイズの詳細は以下URLを参照のこと。
http://www. ncgg.go.jp/cgss/department/cre/cognicise.html
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