天

貝殻を共に拾いし夏終る

鈴木　曻

一緒に拾った人と作者との関係は読者の想像にまかせています。そのヒントになるのが貝殻です。作者にとって大切な人、ご夫婦の間柄かもしれません。今その人は？など想像が拡がります。

地

秋の雨座りなおして読書かな

松岡ツルヱ

ぱらぱらと見ていた書物を本気になって読む気にさせたのは背景の秋の雨です。心落ちつく静かなひとときです。

人

受付のノートに参上大飛蝗

王田　佗介

集会などの来客名簿でしょうか、その帳面に飛蝗が飛んで来るとは思いがけないことでしょう。「参上」にはその驚きや飛蝗への親しみの気持が籠っています。