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2016年11月18日

高齢者の自動車運転事故相次ぐ…法の整備だけでなく交通インフラなどの総合的対策が必要

高齢者の運転事故が相次いでいる。

11月12日に東京・立川市で、83歳の女性が運転する車が30代の男女をはねて死亡させた。ブレーキとアクセルを踏み間違えたのが原因。翌13日には東京・小金井市で、82歳の男性が運転する乗用車が、自転車に乗った61歳の女性をはねる死亡事故が起きた。運転者は「自転車に気付くのが遅かった」という。

高齢者運転事故の原因の一つは、身体能力(運動神経)が衰えているのに運転を続ける高齢者が多いからといわれる。ドライブシミュレータの実験では、対向車を認識して回避するまでの時間が、70代は若者に比べ0.7秒(車は12メートル進む)も遅かった。

そして、特に目立つのが認知症との関連。10月、横浜市で80代の男性が運転する車が登校中の小学生をはねて死亡させた事故では、「どうやって事故現場まで来たのか覚えていない」と運転していた男性は話している。ブレーキ踏み間違えの事故も認知症の場合が多いといわれる。

こうした事態に安倍首相は11月15日、関係閣僚会議を開き、早急に対策をとるよう指示した。

来年3月には、改正道路交通法が施行され、逆走や信号無視など18項目の交通違反をした75歳以上のドライバーに、認知機能検査が課せられる。医師の診察で認知症と判定されると免許証取消か停止になる。

高齢による衰えは個人差が大きい。地方では自動車は必要不可欠な移動手段でもある。法律を強化し、取締り・義務付けるだけでは解決しない。交通インフラを含めた総合的な対策が必要である。

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