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2025年03月04日
コメ高騰の要因は?安定供給には「令和の農業再生」必要。

令和の米騒動――2024年夏、店頭からコメが消える異常事態に見舞われた。
農林水産省は「在庫は十分にある。新米が出れば落ち着く」と繰り返したが、米の価格高騰は続いた。今年2月には全国スーパーでのコメの平均価格が5キロあたり3829円と、1年前に比べ90%近くも上回った。悲鳴を上げる国民の声に、政府は2月14日、備蓄米21万トンの放出に方針転換した。
コメは、JAなど集荷業者が農家から集めて卸業者に販売、その卸業者からスーパー、小売店に流通し、消費者に届く。では、なぜ高騰しているのか。天候不順で品質が低下し収穫量が減少たこと、農家が直接消費者や小売店などと取引するケースが増えたことに加え、異業種業者が転売目的に高値で買い付けるなど競争が過熱化し、流通の目詰まりが起きているのが要因だといわれている。
放出された備蓄米が店頭に並ぶのは3月末以降とみられる。専門家によれば「米価は一定程度下がるかもしれないが、市場への効果は限定的」との声も。農林水産省が言う「流通の滞り」が、どこでなぜ起きているのか解明されなければ、来年以降も繰り返されることになる。
日本の農家の7割は兼業農家だという。しかも高齢化が進み、農家の減少は深刻。コメの生産力は、このままだと維持できない。生産性を向上し、需給バランスに基づいた安定供給に向け「令和の農業再生」に本腰で取り組んでもらいたい。
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