老友新聞2024年12月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。（編集部）

一　席

癌告知受けしと君はつぶやきぬ白く露おく玄関に立ち

岸　慶子

癌の告知を受けたと「君」に言われた深刻な場面。背後に早朝の露を置く草花を配し、言葉にできぬ心情を浮き上がらせました。

二　席

大の里　見事優勝　成し遂げて　笑顔と元気を　震災の故郷へ

王田　佗介

「おみなえし」の折り込みです。九月の審議会で大関昇進が決まった大の里関。被災した石川県出身です。この事がどれほど故郷の方々を勇気づけた事でしょうか。「唯一無二の力士」目指して頑張ってほしいですね。

三　席

川沿いの土手をいろどる彼岸花陽光うけて燃ゆるが如し

藤本　洋子

真っ赤な色が鮮やかな彼岸花。お彼岸の時期に咲くことがその名の由来と言われています。群生する様はまさに燃えているようですね。