コラム
退職後に始めたい趣味~高齢者に人気の家庭菜園
退職後は都心を離れて田舎暮らしをしてみたい…そう思われる人が増えている。中でも農業体験をしたいと希望する人も多いと思うが、本格的な農作業は敷居が高い。
そんな人には趣味で始められる家庭菜園がおすすめだ。庭先で、ベランダで、場所をとらずに手軽に始められ、上手に育てれば嬉しい収穫も待っている。
もちろん老友読者にも、本格的な農作業をされている人や家庭菜園を楽しまれている人がいる。今回は、意外なものを再利用して家庭菜園を楽しまれている読者のコラムを紹介しよう。
トマトの結実に安らぐ
島根県 S・M
超高齢者と言われるようになり、よく今日まで生き長らえたと我ながら感心します。体も弱まり、心の置き所に色々な事を考えます。
離村をして42年になりますが、その時に持ち出した、今では不用品の火鉢があります。当時は大火鉢に木炭をくべて、湯沸しや煮豆づくりなどをして、暖をとりました。ご隠居様は刻み煙草で憩う日々でありましたが、今では無用の長物です。
大火鉢2個は弟に譲り、メダカの飼育をしているようです。私は中火鉢の底に、鏨を使って割れない様慎重に少しずつ穴をあけ排水口を作り、古バケツも利用してトマトの栽培を思いつきました。
堆肥に化学肥料を施し、稚苗を4本植え「年寄りの冷や水」とばかりに、毎日観察し、無農薬で育てました。結果はこの上なく、見事結実しました。
並列する町の軒下で日差しも少なく心配しましたが、中玉、小玉、ミニと収穫できました。
真っ赤に完熟したトマトをもぎ採るその心境は、故郷を思い出し、畑作に奔走していた若かった時代を彷彿させました。
店頭にいけば沢山の商品がありますが、自ら作ったものと思うと一層美味で、愛おしく感じ、よそ様にもお裾分けしました。
「来年のことを言うと鬼が笑う」の諺もありますが、ミニトマトを頬張りながら、暑い夏をがんばって乗り越え、来年も作りたいと思います。(老友新聞社)
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