老友新聞2024年9月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天の位

月も出ぬのに　街角あたり
誰を待つのか　月見草

菊地　幸子

擬人化した月見草の、相手欲しさがよく伝わってきます。

地の位

よくもあんなに　大喰い選手
私だったら　１０日分

山田　浩司

大喰い「選手」が上手い。ホントに「選手」と言える食べっ振りで、惚れ惚れとさせられる人がテレビに映りますね。

人の位

何を食べたか　三度の食事
みんな忘れて　丈夫な胃

王田　佗介

食べた物を忘れるのはご丈夫な胃の所為（せい）ではなく、失礼ながらお齢のセイでしょうね。

五　客

週に二日の　デイサービスは
天然のフロ　ぜいたくに

小林　良一

私の家内も週二回のデイサービスを受けていますが、楽しく過ごしている様子です。天然のお風呂とは贅沢ですね。

鬼灯片手に　外人さんも
四万六千日詣で

倉澤　登美子

東京浅草の浅草寺（観音さま様）に七月九日十日のどちらかにお詣りすると四万六千日（しまんろくせんにち）分のご利益があるそうです。この日は境内に鬼灯（ほおずき）市が立ち賑わいます。

お腹いたいの　患者は私
パソコンじゃない　こっちみて

岸　慶子

こういうお医者様が増えましたね。ご自分の医術に自信が無いのでしょうかね。

トゲのありかは　わかっているが
すぐに抜けない訳がある

佐野　磯雄

そのトゲはお身体のどの辺りに在って、何故すぐ抜けないのか？気懸かりです。

チッチーのチッと　火花が弾く
ベーゴマ遊びが　懐かしい

下田　尚保

親達は子供世界の博打といやしてベーゴマやメンコを嫌がっていましたね。