老友新聞2024年8月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天の位

知識は無限だ　卆寿に成って
未だ知らない事ばかり

鈴木　曻

本当にそうですね。私も、自分が何も知らない人間だと、つくづく思う米寿の人間です。

地の位

すててこ親爺が　昭和を連れて
西瓜ぶらさげ　やって来る

王田　佗介

真夏の陽光がジリジリとまぶしい。ステテコ親父も昭和も嬉しい。西瓜が殊に良い。

人の位

昭和彩る　胸打つ唄は
都々逸入れ込むひばり唄

倉澤　登美子

歌手美空ひばりの好き嫌いは、年齢や人それぞれで激しいかと思いますが、私は好き派の一人です。

五　客

今日に終止符　晩酌終えて
明日の好運　待って寝る

下田　尚保

適量のお酒を飲んで床に就く安心感が、よく出ています。

足が悪けりゃ　何にも出来ぬ
初めて気付いた　我が体

小林　良一

長年、丈夫を維持し続けての９０歳。体力だけで無く、ふと気付く人生の忘れ物…。

悪の枢軸　絆を固め
世界平和は　そっちのけ

栗村　正

ロシアと中国のことを指していますね。

炊事洗濯　廻すな後に
やる気出すのは　今でしょう

山田　浩司

つい後回しにして、どっこいしょと腰を下ろしてしまうのが、どちら様でもの光景。

季節外れの　暑さに迷う
木蔭選んで　草むしり

手銭　美也子

こんな良い場所は無いので、もっぱら家に籠ってクーラー暮らしの私です。