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2024年07月04日

「雨止みて緑深まる谷間より山霧白く幾筋も立つ」2024年7月入選作品|老友歌壇

老友新聞2024年7月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)

一 席

雨止みて緑深まる谷間より山霧白く幾筋も立つ

多田 シズモ

谷間の緑と、霧の白のコントラストが、読者を大きな景に導き、空気と冷気をも感じさせます。

二 席

食パンにピーナツバターたっぷりと春の昼食のどかに過ぎる

王田 佗介

「ピーナツバターたっぷりと」に、春の昼食の気分がよく出ています。戸外で花を眺めながら、鳥の声を聴きながら、などと読者を場面に誘います。

三 席

姉逝きて聞きたかりしことあれこれと思いて見ている十六夜(いざよい)の月

竹下 富子

姉が逝ってしまい、生前に聞いておきたかった事が思い出されて千々に乱れる心を月に預ける。さり気ない描写がひかります。

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