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2024年07月01日

燃料費高騰・後継者不足…消えゆく「銭湯コミュニティ」

一軒、また一軒とわが町から銭湯が消えてゆき、最後に残った銭湯も経営者の奮闘かなわず廃業となった。30年近く通い続けてきた無類の銭湯好きの妻は、なんとか経営が継続できないか仲間と自治体に支援嘆願もした。

全国の銭湯の軒数は、昭和43年(1968年)の1万7999軒をピークに毎年減少を続け、令和6年の今年は1653軒と最盛期の10分の1以下となった(全浴連調べ)。

銭湯が廃業・転業する要因は、高度成長期以降、家庭に風呂が普及したことが大きい。風呂は自宅で入るものとなった。さらに最近は燃料費や固定費が上昇し、コロナ禍で利用者が2割減少するなど経営環境は年々厳しさを増している。

わが町最後の銭湯は80代の夫婦が経営していた。後継者はなく、ご主人が釜場を担当、奥さんが番台に立つ。廃材を調達して燃料にするなど経営努力を重ねてきた。利用者の多くも長年通い続ける高齢者。
ご主人は「昔からのファンが通ってくれるうちは続けたい」と話していたが、病に倒れ入院したのを機に廃業を決めた。

「銭湯に入るのが楽しみで、生きがいでもある」という常連客。そこには客同士の“銭湯コミュニティー”がある。一人暮らしの仲間が姿を見せなければ、心配し連絡をとる。互いを支え合う共同体が生きている。

ニュースで、若者たちが廃業する銭湯の後を継ぎオープンしたと報じていた。まだまだ、昭和レトロ「銭湯」も捨てたものではないかも。

 

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