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シニアに役立つ防災情報
この元旦に起きた『能登半島地震』をきっかけに、過去に予想されている大規模地震が改めて注目されている。そこで先月に引き続き、防災について取り上げよう。防災については多くの情報が発信されており、読者の皆さまも基本的な事はご存じであろう。そこで、今回は特に、高齢者に寄り添った情報を提供したい。
自力避難困難者は「登録」を
防災に関する基本的な情報は、都道府県公式のSNSや市区報、テレビの情報番組等から得ることができる。しかし、今回は少し視点を変え、私たちシニアに役立つ情報を取り上げてみた。
●住まいを安全な場所にしよう
阪神・淡路大震災の際、死者の約8割は家屋や家具の転倒によって亡くなったという統計がある。だが、高齢者のみの家庭や独居家庭では、家具の固定が困難な場合がある。
これに対し、各市区町村の多くは高齢者等に向けて、家具転倒防止のボランティアを派遣している。
さらに地域コミュニティ作りの活動のひとつとして、家具転倒防止のボランティアの育成をしている地域もある。これらの情報は各市区町村の窓口にお問い合わせを。
●知ってる?『避難行動要支援者名簿』『福祉避難所』
《『避難行動要支援者名簿』》
高齢者に限らず障害者や外国人など、自力での避難、避難生活が困難になる可能性の高い人たちが申請・登録するもの。これは市区町村の管轄下で作成される名簿で、登録者は災害時の迅速な避難をサポートしてくれる。
《『福祉避難所』》
災害が発生した場合は、まず事前に確認していた指定避難所に避難。万一避難所生活が長引く場合は、高齢者や障害者、妊産婦、幼児など健康面で特に配慮が必要な人たちは、『福祉避難所』を利用することができる。ただし、人数制限がある場合は重度の人から優先となる。
日頃からやっておくべきこと
自助・共助・公助の下地づくりを
《地域コミュニティに参加》
阪神・淡路大震災の際、倒壊した建物から救出された人の6割以上が、近所住民によって助け出されたという。地元の趣味のサークルへの参加以外にも、挨拶や声がけをするだけでも意味をもつ。
また、防災訓練へも参加したい。何度も経験することで体に染みつくと同時に、その場で地域住民との交流の場になることもある。こうして「共助」の下地を作りたいものだ。
自助…災害が発生したときに、まず自分自身と家族の身の安全を守ること。
共助…地域やコミュニティといった周囲の人たちが協力して助け合うこと。
公助…市町村や消防、県や警察、自衛隊といった公的機関による救助・援助。
《医療機器の定期点検》
日常的に医療機器を使用している人は、定期点検を怠らないように。外部バッテリーも十分に充電しておこう。
《災害時について医師に相談》受診前に医院受付で、「災害時の注意点も聞きたい」と伝えておくとスムーズ。疾患や症状によって、病院側も適切なアドバイスができる。
高齢者に役立つ備蓄品
災害時用の備蓄品のリストも、皆さんは何度も目にしていることだろう。それ以外に、絶対に準備したい高齢者ならではの物を表にまとめた。
紙おむつは、簡易トイレを作るとき下に敷くと非常に便利。においも軽減される。また、昨今はレトルト食品を備蓄する人も多いが、普段から食べている中から好きなものを選ぶことがポイントだ。
実際の被災地で喜ばれた食品は梅干し、いりこ、味噌など日常的に食べていたものだという。万一、大災害で被災してしまった場合、心身の疲労は日に日に蓄積されていくことだろう。そんな生活の中でホッとするのは、普段好きだったお菓子類などや飲み物を口にするときだという。チョコレートや羊羹、果物缶、コーヒー等の嗜好品は被災地で渇望されたものだ。備蓄品にそんな物も入れることをお忘れなく。
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