趣味
2023年08月16日
「八十路過ぎ妻の寝顔は仏様」2023年8月入選作品|老友川柳
老友新聞2023年8月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
八十路過ぎ妻の寝顔は仏様
福田 浩明
長年さまざまな感情を味わってきた伴侶。寝顔を見ると仏様に思えたのは、老境の喜びなのか、諦観なのか。読み手の想像力を刺激させますね。
地 位
マイナンバーしばらく家で休養中
本庄 一郎
全国でトラブル続出と報じられるマイナンバー。面倒に関わりたくないなら、使わずそっとしておくこと?庶民の心の動きをうまく描写しています。
人 位
誰よりも支えてくれるのは諭吉
中川 栄子
暮らしを支えるのは周りの人物ではなくて、お金。孤独感がにじむ一方で自立心が窺えます。やがて諭吉は退場、渋沢が取って代わるのでしょうか。
五 客
探偵じゃなくて少年強盗団
王田 佗介
荒っぽい手口の強盗をつかまえたら未成年グループ。乱歩作品に出てくる正義の存在とは真逆のあり方への嘆きに共感。
長生きは記憶の山を往き来する
小林 良一
新しく出会う現実より、膨大な過去の思い出に頭が行きがちな様を、「記憶の山」という語を使ってユニークに表現。
石段に試されている寺巡り
新井 純一
各地の寺社を巡る趣味を続ける中、足腰の衰えを試すような石段の長さ・高さを感じ、きつくなる様子がわかりますね。
久しぶり変わらぬエクボ見て安堵
田中 和代
久しぶりに会った友人。トレードマークのエクボが消えていなかったことに胸を撫で下ろした、自己観察の腕が確かです。
ずかずかと老いは無許可でやって来る
中川 栄子
自分の老化は、許可していないのに押し寄せる。その悲哀を「ずかずかと」で強調するテクニックが光ります。
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