医療と健康
不眠症を改善する睡眠薬
老若男女問わず、多くの方が眠れないことで悩んでいます。一口に不眠といっても、寝つきが悪い、途中で起きてしまう、早く目覚めてしまうなどいろいろですが、眠りたいのに眠れない状況が続き、日中の眠気や日常生活への支障が3カ月続く場合、不眠症と診断されます。
治療では、まず生活環境を改善し、睡眠習慣の指導を行い、改善しない場合は必要に応じて睡眠薬を使います。
睡眠薬はベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬の4種類があります。ベンゾジアゼピン系は、脳の神経活動を全般的に抑えることで眠りやすくする薬です。日本では昔から使われていて、種類も多いのですが、ふらつきをはじめとした副作用が出やすく、依存性の問題点があります。
非ベンゾジアゼピン系の薬は、不眠の改善作用に特化しており、ふらつきなどの危険性が改善されています。
メラトニン受容体作動薬は体内時計の調整作用に関係するメラトニンというホルモンと同じ作用があり、夜型や睡眠時間のずれが治らない場合に使用します。オレキシン受容体拮抗薬は目覚めを促すオレキシンというホルモン作用を遮断し、眠れるようにする薬です。なお、市販薬は一時的な不眠に対するもので、不眠症への治療効果は実証されていません。
眠れない時だけ使用する場合もありますが、1週間に3日以上眠れない場合は、毎日きちんと飲み、不眠を改善してから減薬するのが、睡眠薬から離れる近道です。
不眠症は眠ったという体験を積み重ね、安心感が増すことで改善されます。眠れるようになっても勝手にやめずに、医師に相談しましょう。
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- 山本 晴義 医師
- 心理カウンセラー
日常よくある心の悩みについて、山本先生が解説します。心を健康に保ち、毎日健やかに過ごしましょう!
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