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2022年07月27日

陶芸の楽しさ・魅力とは?

老いも若きも熱中できる趣味のようなものがあると、人生に彩りを与えるといえよう。その趣味となるものは多彩だが、多くの人が一度はやってみたいと思ったことがあるのは陶芸ではないだろうか。読者の中にも、あるいは読者のまわりでも、陶芸を趣味としている人はいるのではないだろうか。一度始めると「ハマる」人が多いという陶芸。その魅力を、文部大臣賞も受賞している陶芸家の田口佳子さんに聞いた。

 

「表現する思い」を大切に
まず最初は土に慣れることから

田口佳子さんは、千葉県流山市を拠点に活動する陶芸家だ。1997年、『秋耕展』にて文部大臣賞を受賞した作品についてのお話が、実に興味深い。その作品は高さがあり、上へ上へと伸びていくような威風をたたえた作品だった。
田口さんは、磁器で高さを出すのは難しい技術が必要だと言う。

「陶芸家になったころは育児をはじめ、いろいろ大変なことがありました。自分の中に一本線を通して『自分に負けない、自分に負けない』と言い聞かせてやってきたんです。芯がなければここまでできなかった。だから、一本の線がスッと立っている作品が好きなんです」

田口さんは、「作品は表現するもの」と言う。文部大臣賞を受賞した作品は、まさに田口さんの思いを表現していた。

陶芸家の田口佳子さん

その田口さんは、地元流山おおたかの森で『紫焔窯陶芸教室』も開催している。そこには田口さんの教えを請うて、千葉県内外から多くの人が通ってくるという。

「最初に生徒さんたちにも言うんですよ、ただ食器を作りにきていると思ってはいけないと。『自分の作品を作る』という気持ちで作ってくださいと話します」

『紫焔窯陶芸教室』では、まず最初の半年間は手びねりで作品を作りながら土に慣れていくという。

「土は触りすぎてはダメなんです。触りすぎると土の勢いがなくなってしまう。だらしない感じの作品になってしまうんです。ですから、時間をかけずにすっきり仕上げてください、そこに目標をおいてください、と伝えています」

陶芸とはそれほどの集中力が必要なもの、田口さんはそう考えている。

「陶芸を続けているうちに集中力はついてきます。生徒さんたちをみていると、『感性が豊かになって集中力も上がってきたな』と感じますね」

心豊かにピュアになれる

田口さんは、自分は生徒にとって厳しい指導者だろうと言う。だが、入会したほとんどの生徒が、10年以上陶芸を続けているという。

「なんでもない土をどういう形にしようか、どんな技法を使おうか、というところから始まって、ろくろの前に座ると自分が思っているような形にならないんです(笑)。そこでまた難しいなと思いながら妥協して形作る。窯焚きは私がするのですが、生徒さんがする装飾、釉掛け、陶芸の段階は多岐にわたり、ひとつでも集中力がかけると最終的にいい作品はできない。一つ一つクリアしていくのだと教えています。生徒さんは陶芸は難しいとしかいいません(笑)。でも、だからおもしろいんじゃないでしょうか。簡単だったら20年も30年も続かないでしょう」

土は自然のもの。植物に触れるのと一緒で心が豊かで、ピュアな気持ちになるのも魅力だと田口さんは言う。
また、

「最終的に窯を焚いて、4日ほど冷まして窯出しをするのですが、待ってる時間も『どんな作品になってくるかな』とワクワクします。そして窯から出てきたときの喜びもまた陶芸の魅力なのです」

とも。
『紫焔窯陶芸教室』では、年に一度、生徒の発表会を行っている。生徒たちは会に向けた作品作りを通し、個々の技術をステップアップさせている。また、田口さんと生徒たちは折に触れて教室に集まり、お酒を飲みながら陶芸談義に花を咲かせるという。それもまた、技術や感性を育てる場になるそうだ。
陶芸に少しでも興味をお持ちの方は、この機会に学んでみてはいかがだろうか。

田口さんの代表作・流山市ふるさと納税採用作品

●紫焔窯
陶芸教室:電話04―7197―3243(9時半~16時)陶芸教室は入会金1万円、月2回7千円~
体験陶芸は4千4百円(約2時間30分・土1キログラム使用、作品焼成費込)

 

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