老友新聞2022年6月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天の位

あなたが居るから　寄り添う私
あなたが居たから　生きてます

天野　照華

ある日・あることは推察もできませんが「あなた」への寄り添いが一途で打たれます。

地の位

世界平和の　祈りを捧げ
募金の箱にも　するお辞儀

手銭　美也子

募金をする人にも箱にもお辞儀をして平和を祈るのも、戦時中の苦労を知っているからなのです。

人の位

待ちに待っての　年金受給
満員御礼　引き出し日

岡本　政子

信金や郵便局に受給者の老人が押し寄せるのですね。

五　客

花の名所は　数々あれど
唐津お城の　藤の花

櫓木　香代子

ご当地ご自慢のお城の藤。名詞止めの歌の余韻に魅かれて、機会があったら是非伺いたい、と思わせますね。

過去に少しは　誇りがあって
谷を見下す　山桜

倉澤　登美子

この山桜の誇りに谷の春は圧倒されていますね。

互い白髪へ　久しく笑顔
元気もらった　シニア会

冨田　いつ子

大変な年齢になっております。でも老友新聞の大先輩のお陰で今があります。がんばります。との嬉しい添え書き。嬉しいお便り、多謝。

京都大阪　しばらく行かず
住めば都の　里の初夏

岸　慶子

お住まいの兵庫県から京都大阪はひと足でしょうが、そのひと足が遠退いているのですね。

春の日ざしに　めざめる庭は
取っても取っても　生える草

藤本　洋子

春の勢いに押される時がありますね。