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食中毒にご用心!車のトランクに生鮮食品を詰め込み、そのまま寄り道してませんか?
今の時期、じめじめとした毎日が続くが、この時期に注意をしなければならないのが食中毒である。一般的に気温の低い冬場などは食中毒の発生は少なく、気温の上昇につれて増える傾向にあり、6月から8月にかけてが食中毒発生のピークとなっている。今月は食中毒の原因やその危険性、そして予防方法などについてまとめたので、ぜひ参考にしていただきたい。
食中毒は「細菌性」が7~9割
O157やサルモネラ菌が多い
食中毒を引き起こす原因は様々ある。そのなかでも発生件数の多いのは細菌性食中毒とウイルス性食中毒であり、とくに細菌性食中毒は全体の7~9割を占めている。この細菌性食中毒はここ数年、とくに発生件数が増加しており、一般の家庭内でも発生する可能性も高く、日ごろから注意をしなければならないものである。
細菌性の食中毒は夏場にかけて増加し、その原因は、最近良く耳にする病原性大腸菌O157やカンピロバクター、サルモネラ菌などが多い。また多くの細菌は湿気を好むため、暖かくなり初めで降雨も多い梅雨の時期に注意が必要である。
一方、ウイルス性の食中毒の原因で多いのは、よくニュースでも報じられるノロウイルスだ。飲食店などで発生することが多く、感染力も高いため、被害が拡大することも多い。ウイルス性の食中毒は低温、乾燥した状態でも発生するので、年間を通しての注意が必要である。
腹痛、嘔吐、下痢の症状
市販薬には頼らず診察を
では、食中毒を起こすとどのような症状が現れるのか。実は原因となった細菌やウイルスの違いによって、症状や対処法も異なる。また、細菌やウイルスに感染してから実際の症状が現れるまでには潜伏期間のあるものもある。
代表的な症状としては、腹痛、嘔吐、下痢(出血を伴う場合もあり)、悪心、発熱など。重症化すると痙攣、呼吸困難、耳鳴り、視力低下、言語障害などを引き起こすこともある。症状が現れるまで30分と短いものから、数時間後、数日後、長ければ1週間程も潜伏期間が存在することもある。このような症状が現れた場合、できる限り早く病院を受診することが大切で、自己判断で市販の薬を飲むのはかえって危険な場合がある。とくに下痢の症状があるからといって、下痢止めの薬を飲んでしまうと、食中毒の原因となった細菌や毒素を排泄できなくしてしまい、症状を悪化させることもあるので注意が必要である。
症状が比較的軽く、自宅で様子を見る場合には、下痢や嘔吐をくり返し脱水になるため、水分を充分にとることが大切である。また横になって休む場合には、突然の吐き気で、嘔吐物で喉を詰まらせないよう注意も必要である。
予防にはこまめな手洗い
生鮮食品は早目に消費
次に、食中毒の予防についてまとめてみる。まず細菌性食中毒の予防には3つの原則がある。
食中毒予防の3原則
①原因菌をつけない
人の手には目に見えない様々な細菌が付着しているが、これらの中に食中毒を引き起こす細菌が含まれている。調理する際、それらの細菌を食物に「つけない」ことが大切である。
そのためにはまず手洗いをすることが基本。調理を始める前はもちろん、調理中にトイレへ行った後や鼻をかんだ後、テーブルや手摺を掴んだ後、ペットを触った後などにも手を洗う。
また、生肉や生魚などを扱った後に、それ以外の食材を扱う際にも注意が必要だ。肉や魚にも細菌が付着しているため、それを触った手や包丁、まな板などもこまめに洗うと良い。また焼肉やバーベキューをなどする際には、生肉をつかむ箸と食事用の箸は別のものにすること。
②原因菌を増やさない
細菌は高温多湿な環境で活動が活発になり、増殖力が高まる。逆に冷蔵庫など低温で湿度の低い場所では活動が緩やかになり、増殖を抑えることが出来る。それでも冷蔵庫の温度では増殖を完全に停止させることは出来ないので、生鮮食品はな
るべく早めに消費するか、あるいは冷凍保存することが大切だ。
③原因菌を殺菌する
ほとんどの細菌は加熱処理をすることによって殺菌することができる。肉や魚はしっかりと加熱調理をすること。また、包丁やまな板、菜箸などの調理器具にも細菌は付着しており、そのまま放置すると増殖する。とくに生肉や生魚を扱った後の器具はしっかりと洗浄し、定期的に殺菌処理をすること。
タオル・布巾は常に清潔に
そのほか、ご家庭で実践していただきたい食中毒の具体的な予防法をまとえてお伝えしよう。
まず、食材の買い物をした後は寄り道をせずに帰り、早めに冷蔵庫や冷凍庫に収納すること。
冷蔵庫のドアの開閉にも注意したい。冷蔵庫のドアは開け放つとあっという間に庫内の温度が上昇し、ふたたび温度を下げるには時間がかかってしまう。食材の出し入れはすばやく、出来る限りドアは最小限に開けるようにする。
調理を行う前には石鹸で手洗いをする。指の間、爪の中、手首などは忘れがちになるのでしっかりと洗う。タオルや布巾は常に清潔なものを使用すること。手や顔を拭いた後のタオル、洗った食器を拭いた後の布巾には細菌が多量に付着している。それを洗わずに吊るして乾燥させただけでは、細菌増殖の温床となる。
調理した食事はなるべく早く食べること。レンジで温めなおす場合には、中途半端にぬるく温めてしまうと逆に細菌を増殖させる恐れがあるため、しっかりと温める。以上のポイントに注意して、食中毒予防に努めていただきたい。
くり返しになるが、嘔吐や腹痛など、食中毒が疑われる症状が出た場合には市販の薬に頼らず、すぐに医師の診察を受けることが大切である。(老友新聞社)
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